いろいろな接線の傾き

いろいろな接線の傾きを求めてみよう

接線の傾きの求め方はよろしかったでしょうか?
例えば、関数$\displaystyle{f(x)}$上の点$\displaystyle{x=a}$の接線の傾きは、極限値を使って、
$\displaystyle{\lim_{h{\rightarrow}0}\frac{f(a+h)-f(a)}h}$ のようにして求まります。
つまり$\displaystyle{h}$の値をどんどん小さくする、ということにより、
接線の傾きに限りなく近づけよう、とする考え方です。

それでは、いろいろな例を使って、それらの接線の傾きを求めましょう。



例えば、$\displaystyle{f(x)=x^3}$の、$\displaystyle{x=4}$での傾きは、いくつになるでしょうか?

これは、上の極限値の式に代入しますと、
$\displaystyle{\lim_{h{\rightarrow}0}\frac{f(4+h)-f(4)}h}$
$\displaystyle{=\lim_{h{\rightarrow}0}\frac{(4+h)^3-4^3}h}$
$\displaystyle{=\lim_{h{\rightarrow}0}\frac{64+48h+12h^2+h^3-64}h}$
$\displaystyle{=\lim_{h{\rightarrow}0}\frac{48h+12h^2+h^3}h}$
$\displaystyle{=\lim_{h{\rightarrow}0}(48+12h+h^2)}$
$\displaystyle{=48}$
となり、$\displaystyle{f(x)=x^3}$の、$\displaystyle{x=4}$での傾きは48ということが分かりました。

次の例

今度は、$\displaystyle{f(x)=x^2+1}$の、$\displaystyle{x=-2}$での接線の傾きを求めましょう。
今回も、同じように極限値を求めればいいわけです。
$\displaystyle{\lim_{h{\rightarrow}0}\frac{f(-2+h)-f(-2)}h}$
$\displaystyle{=\lim_{h{\rightarrow}0}\frac{\{(-2+h)^2+1\}-\{(-2)^2+1\}}h}$
$\displaystyle{=\lim_{h{\rightarrow}0}\frac{h^2-4h}h}$
$\displaystyle{=\lim_{h{\rightarrow}0}(h-4)}$
$\displaystyle{=-4}$
となり、
$\displaystyle{f(x)=x^2+1}$の、$\displaystyle{x=-2}$での接線の傾きは-4というようになる、ということが分かりました。

今回は、接線の傾きが負になっています。
ということは、接線は右下がりの直線であり、
このことは、この点でグラフが減少している、ということを意味しています。

また、上の例では接線の傾きが48と求まりましたが、
これは急激にグラフが上昇していることを意味しています。

こうしてみると、接線の傾きはグラフの増減を意味していそうですね?
だから、接線の傾きとは、瞬間での増加量なのだと思ってください。

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