今度は、
$\displaystyle{f(x)=x^3}$上に適当な点
$\displaystyle{x}$をとり、その点での接線の傾きを求めたいと思います。
それでわ、いつものように極限値を求めていきましょう。
$\displaystyle{\lim_{h{\rightarrow}0}\frac{(x+h)^3-x^3}h}$
$\displaystyle{\lim_{h{\rightarrow}0}\frac{3x^2h+3xh^2+h^3}h}$
$\displaystyle{\lim_{h{\rightarrow}0}(3x^2+3xh+h^2)}$
$\displaystyle{\lim_{h{\rightarrow}0}3x^2}$
となります。
よって、
$\displaystyle{f(x)=x^3}$上の点
$\displaystyle{x}$での接線の傾きは、
$\displaystyle{3x^2}$となることが分かりました。
ところで、どうでしょう?
もし、この
$\displaystyle{3x^2}$に
$\displaystyle{x=4}$を代入したら、
$\displaystyle{f(x)}$における
$\displaystyle{x=4}$での接線の傾きが求められます。
また同様に、
$\displaystyle{3x^2}$に
$\displaystyle{x=0}$を代入しても、
同様にしてその地点での接線の傾きが求められます。
ちなみに、この場合x=0を代入してみると0になるので、
この場合、接線の傾きが0ということになります。
こうしてみると、
$\displaystyle{3x^2}$というのは、
$\displaystyle{x^3}$のそれぞれの点での接線の傾きを求める
いわば‘公式’みたいなものだと分かっていただけたでしょうか?
このように、関数
$\displaystyle{f(x)}$の接線の傾きを求める‘公式’みたいなものを導く操作のことを
微分といいます。
また、微分した後の関数のことを
導関数といい、
微分する前の関数のことを
原始関数といいます。
この場合、
$\displaystyle{x^3}$の導関数は
$\displaystyle{3x^2}$となり、
逆に、
$\displaystyle{3x^2}$の原始関数は
$\displaystyle{x^3}$となります。
以下に
$\displaystyle{f(x)=x^3}$のグラフを示します。
$\displaystyle{x^3}$の導関数
$\displaystyle{3x^2}$は、x=0の時最小値0をとり、それ以外は、必ず正の値をとります。
よって、もとの関数
$\displaystyle{f(x)=x^3}$は、x=0以外の全ての点で接線の傾きが正、つまり右上がりになります。
また、x=0の点では、接線の傾きが0となるため、グラフの増加がいったん緩やかになっています。