群と代数学
Follow @suridaisuki

群とは?

半群はもう分かったかと思います。

単位元の持つ半群をモノイドといいます。

全ての元が可逆元である(逆元をもつ)モノイドのことをといいます。

まとめると、群とは以下の4つの規則が成り立っているもののことです。
この4つの条件が成り立って、初めて群と言います。


また、全ての元に対して
$\displaystyle{ab=ba}$
となる、つまり交換法則が成り立つことを可換である、といいます。
可換である群のことを可換群、あるいはアーベル群加群 と言ったりします。

ちなみに、可換である半群を可換半群ともいいます。

代数的構造

いままで見てきたところ、どうでしょうか?

「群」とは、演算子というものを抽象化したようなものです。


今までの数学では、数を「+」や「×」で足したり掛けたりして計算してきました。
恐らく結合法則や交換法則となるものは、後で発見された、いわば「後付け」のようなものでした。

しかし、数式をただの「計算」としてとらえるのではなく、
むしろ、数式に成り立っている「構造」や「性質」だけを取り出そう、という考えが生まれたのです。
それが「群」というものです。

当然二項演算子の対象は数だけでなく、いろいろなものにも適応できます。

たとえ、もし数字でないものでも、ある二項演算子に関して群となっていれば、
あたかも方程式を解くような感覚でいろいろなものを調べることができます。

例えば、
実数から実数への全単射の関数を全部集めた集合を$\displaystyle{\mathbb{F}}$とします。
また、その二項演算子を以下のように定義します。
$\displaystyle{f{\circ}g(x)=f(g(x))}$
つまり、この二項演算子$\displaystyle{\circ}$は、合成関数のことを指しています。

この集合$\displaystyle{\mathbb{F}}$は群になります。
なぜなら、自分で確かめたら分かると思いますが、この二項演算子は結合法則を満たします。
また、恒等写像が単位元になります。
ちなみに恒等写像とは
$\displaystyle{f(x)=x}$
のような関数のことで、そのままの値を返す関数のことです。
また、自分自身の逆関数が、逆元になります。

このとき、
$\displaystyle{f{\circ}g=h}$
になるような関数$\displaystyle{f}$は、
両辺に右から$\displaystyle{g}$の逆関数である$\displaystyle{g^{-1}}$を加えることにより、
$\displaystyle{f=h{\circ}g}$
となります。

もちろん、行列やベクトルも群となるので、
それらのものも方程式を解くような感覚で調べることができそうです。

それだけではなく、群となるものであれば、
どんなものでも方程式を解くような感覚でいろいろなことを求められそうです!!!

ただ気をつけることは、群とは可換であるとは限らないので、
右から演算させるのと左から演算させるのでは結果が違ってくるということでしょうか?

環と体

群の他にもというものがあります。

環とは、
体とは、 ということを言います。
また、「×」に関して可換でない体のことを斜体といいます。

ただし、文献によっては、
ここでいう「斜体」のことを「体」といい、
ここでいう「体」のことを「可換体」ということもあるそうです。

環の例としては、整数やn次の正方行列全体の集合があるでしょう。
体の例は有理数・実数・複素数が挙げられます。

整数は「×」という演算子に関して逆元をもつものは、整数の中では「1」しかない(他は分数、つまり整数ではない)ので、環です。
また、有理数や実数、複素数は「+」の単位元である「0」を除いたもの全てに「×」に関する逆元が存在しますので、体になります。

代数学

このように、「群」や「環」、「体」など、二項演算子の性質について調べていこう、
という数学の分野のことを代数学といいます。

代数学とは元々、
「数の代わりに$\displaystyle{x}$などの文字を用いて、計算や方程式などを解いていく学問」
という意味だったのですが、群や環などの発見により、
いつしか研究の対象が「二項演算子」というようになったのです。
ちなみに「代数学」は英語で「Algebra」と言います。

戻る