同型と準同型
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まず例からm(_ _)m

$\displaystyle{G_1=\{0^\circ,120^\circ,240^\circ\}}$
つまりG1を0°,120°,240°の、3つの角度の集合とします。


はいっ、次に角度の足し算を。
$\displaystyle{0^\circ+120^\circ=120^\circ}$
$\displaystyle{120^\circ+120^\circ=240^\circ}$
ですが、
$\displaystyle{240^\circ+240^\circ=120^\circ}$
となります。(360°=0°です。一周して480°=120°になりました。)


ということで$\displaystyle{G_1}$は角度の足し算$\displaystyle{+}$に関して群となります。


$\displaystyle{+}$ $\displaystyle{0^\circ}$ $\displaystyle{120^\circ}$ $\displaystyle{240^\circ}$
$\displaystyle{0^\circ}$ $\displaystyle{0^\circ}$ $\displaystyle{120^\circ}$ $\displaystyle{240^\circ}$
$\displaystyle{120^\circ}$ $\displaystyle{120^\circ}$ $\displaystyle{240^\circ}$ $\displaystyle{0^\circ}$
$\displaystyle{240^\circ}$ $\displaystyle{240^\circ}$ $\displaystyle{0^\circ}$ $\displaystyle{120^\circ}$

これが$\displaystyle{G_1}$の群表です。





次に、
集合$\displaystyle{\{0,1,2\}}$から$\displaystyle{\{0,1,2\}}$への写像 を元とした集合
$\displaystyle{G_2=\{f_1,f_2,f_3\}}$
を考えます。

この写像$\displaystyle{f_1,f_2,f_3}$は、
$\displaystyle{f_1(0)=0 \quad f_1(1)=1 \quad f_1(2)=2}$
$\displaystyle{f_2(0)=1 \quad f_2(1)=2 \quad f_2(2)=0}$
$\displaystyle{f_3(0)=2 \quad f_3(1)=0 \quad f_3(2)=1}$
が成り立っているとします。


さて、写像の合成$\displaystyle{\circ}$を二項演算子とすると$\displaystyle{G_2}$は群となります。

例えば、
$\displaystyle{f_2{\circ}f_3(1)=f_2(f_3(1))=1=f_1(1)}$
となります。
以上のことから群表を作ると


$\displaystyle{\circ}$ $\displaystyle{f_1}$ $\displaystyle{f_2}$ $\displaystyle{f_3}$
$\displaystyle{f_1}$ $\displaystyle{f_1}$ $\displaystyle{f_2}$ $\displaystyle{f_3}$
$\displaystyle{f_2}$ $\displaystyle{f_2}$ $\displaystyle{f_3}$ $\displaystyle{f_1}$
$\displaystyle{f_3}$ $\displaystyle{f_3}$ $\displaystyle{f_1}$ $\displaystyle{f_2}$

となります(正しいのかは、自分で確かめてみてください・・・)。

同型って?

さて$\displaystyle{G_1,G_2}$を並べてみます。
$\displaystyle{+}$ $\displaystyle{0^\circ}$ $\displaystyle{120^\circ}$ $\displaystyle{240^\circ}$
$\displaystyle{0^\circ}$ $\displaystyle{0^\circ}$ $\displaystyle{120^\circ}$ $\displaystyle{240^\circ}$
$\displaystyle{120^\circ}$ $\displaystyle{120^\circ}$ $\displaystyle{240^\circ}$ $\displaystyle{0^\circ}$
$\displaystyle{240^\circ}$ $\displaystyle{240^\circ}$ $\displaystyle{0^\circ}$ $\displaystyle{120^\circ}$
    
$\displaystyle{\circ}$ $\displaystyle{f_1}$ $\displaystyle{f_2}$ $\displaystyle{f_3}$
$\displaystyle{f_1}$ $\displaystyle{f_1}$ $\displaystyle{f_2}$ $\displaystyle{f_3}$
$\displaystyle{f_2}$ $\displaystyle{f_2}$ $\displaystyle{f_3}$ $\displaystyle{f_1}$
$\displaystyle{f_3}$ $\displaystyle{f_3}$ $\displaystyle{f_1}$ $\displaystyle{f_2}$

この2つの群、よぉ〜〜く見比べてみてください。
何か気付くことはありませんか?


「G1とG2っておなじじゃん!?」
まだよく分からない人は、以下の対応を見てみるといいでしょう。
$\displaystyle{0^\circ{\leftrightarrow}f_1}$
$\displaystyle{120^\circ{\leftrightarrow}f_2}$
$\displaystyle{240^\circ{\leftrightarrow}f_3}$
ただ単に$\displaystyle{G_1}$の元を上のように置き換えたものが$\displaystyle{G_2}$となります。


こうしてみると$\displaystyle{G_1}$$\displaystyle{G_2}$は構造としては全く同だということが分かるでしょう。




確かに $\displaystyle{G_1}$$\displaystyle{G_2}$ は、
「角度」と「写像」、つまり2つの群の元の意味するところも違うし、
「角度の足し算$\displaystyle{+}$」と 「写像の合成$\displaystyle{\circ}$」と、二項演算子の意味も全く違います


しかし$\displaystyle{G_1}$$\displaystyle{G_2}$ の意味を完全に捨てて、ただ「構造」だけに着目すると、
この2つの群は全く同じ振る舞いをすることが分かります。


この関係が成り立つことを同型といいます。
$\displaystyle{G_1}$$\displaystyle{G_2}$は同型です。

さて、もう一つ$\displaystyle{G_1}$$\displaystyle{G_2}$と同型な群を以下に示します。
$\displaystyle{\circ}$ $\displaystyle{a}$ $\displaystyle{b}$ $\displaystyle{c}$
$\displaystyle{a}$ $\displaystyle{a}$ $\displaystyle{b}$ $\displaystyle{c}$
$\displaystyle{b}$ $\displaystyle{b}$ $\displaystyle{c}$ $\displaystyle{a}$
$\displaystyle{c}$ $\displaystyle{c}$ $\displaystyle{a}$ $\displaystyle{b}$

同型の明確な定義

さてさて、数学は厳密主義です。
「同型」も、しっかり定義しなければ話になりません。


ということで、今からしっかり「同型」の定義を述べます。




$\displaystyle{\psi}$が 群$\displaystyle{G_1}$から $\displaystyle{G_2}$への同型写像であるとは、以下の2つの条件をみたすことである。
$\displaystyle{\mathbb{G}_1,\mathbb{G}_2}$の間に同型写像が存在するとき、
$\displaystyle{\mathbb{G}_1,\mathbb{G}_2}$は同型であるという。




さて、定義を解説します。
ここでいう$\displaystyle{\psi}$は、2つの群の対応を意味しています。
前節の例でいえば
$\displaystyle{\psi(0^\circ)=f_1 \quad \psi(120^\circ)=f_2 \quad \psi(240^\circ)=f_3}$
みたいな。


一つ目の条件$\displaystyle{\psi(x)\psi(y)=\psi(xy)}$は、演算子の振る舞いが同じだよ、ということを表しています。
二つ目の条件$\displaystyle{\psi}$が全単写とは、2つの群の位数(元の数)が同じだよ、ということを表しています。

準同型

同型は分かりましたか???


さてさて、同型の定義を弱くしたものに準同型というものがあります。
準同型の定義は以下のようになっています。





$\displaystyle{\psi}$が 群$\displaystyle{G_1}$から $\displaystyle{G_2}$への準同型写像であるとは、以下の2つの条件をみたすことである。
このとき、 $\displaystyle{\mathbb{G}_2}$$\displaystyle{,\mathbb{G}_1}$において準同型であるという。



定義から分かるように、
同型と準同型の違いは、ただ$\displaystyle{\psi}$が全単写でなくなただけです。



また、
$\displaystyle{\psi}$が全写のときは全準同型
$\displaystyle{\psi}$が単写のときは単準同型
と呼ばれます。
↑単純同型じゃないよ〜。単準同型だよ。

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