二項演算子
「二項演算子」という言葉は、聞いたことがあるかと思います。
$\displaystyle{+,-,\times,\div}$
のような四則演算も二項演算子です。
もちろん、これだけではないです。
共通部分や和集合を表す$\displaystyle{\cap,\cup}$
も、集合を対象とした二項演算子と考えられませんか?
気づいたと思いますが、二項演算子が実際に使われているのは数字だけではありません。
共通部分や和集合など、集合を対象にしている二項演算子もありますし、
ベクトルや行列にも二項演算子を定義しても全然かまいません。(ていうかすでに定義されてますよね?)
また集合の元がひらがなや国名でも何でもよかったように(集合論でやりました)、
ひらがなや国名に二項演算子を定義しても大丈夫です!!!
また、二項演算子が実際に定義されている集合のことを、その二項演算子の台集合といいます。
例えば、$\displaystyle{+}$という演算子の台集合になっているものは、
皆さんの知っているものでは数やベクトル、行列でしょうか?
もちろんそれだけではないです。
先程も述べたとおり、ひらがなにも$\displaystyle{+}$を定義すれば、ひらがなも台集合になります。
二項演算子と写像
少し二項演算子を違う方向からみてみましょう。
二項演算子とは、その台集合を$\displaystyle{\mathbb{A}}$とすると、
$\displaystyle{f:\mathbb{A}\times\mathbb{A}\rightarrow\mathbb{A}}$
と考えられないでしょうか?
例えば、実数つまり$\displaystyle{\mathbb{R}}$を台集合とする、例えば$\displaystyle{f}$という二項演算子があるとしたら、
$\displaystyle{f:\mathbb{R}\times\mathbb{R}\rightarrow\mathbb{R}}$
と考えられないでしょうか?
ここで$\displaystyle{\mathbb{R}\times\mathbb{R}}$とは、実数の直積のこと、つまり$\displaystyle{(a,b)}$のような、二つの元をもった組のことです。
つまり「二の元の組から一つの元に対応させる写像」だと考えられませんか?
つまり、二項演算子とは、
二つの元から一つの元に対応する、一種の「写像」、
いわば二変数関数のことだ、とは考えられないでしょうか?
例えば、演算子「+」は、
$\displaystyle{f(a,b)=a+b}$
というような二変数関数だと考えられないでしょうか?
足し算だけではありません。「−」や「×」「÷」も同様に二変数関数です。
つまり、二項演算子とは、一種の二変数関数だったのです!!!
これからは、「二項演算子」と聞いたら、「足し算引き算みたいに計算をするもの」ではなくて、
「二項演算子とは2変数関数のことである」と考えていきましょう。