半群
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結合法則
さてさて、二項演算子に関しては分かって頂けたでしょうか?
今度は、二項演算子の持つ性質について考えていきたいと思います。
$\displaystyle{\circ}$
を、ある二項演算子とします。
もし、二項演算子
$\displaystyle{\circ}$
がある台集合
$\displaystyle{\mathbb{A}}$
の全ての元
$\displaystyle{a,b,c}$
に対し、
$\displaystyle{a{\circ}(b{\circ}c)=(a{\circ}b){\circ}c}$
を満たしているとします。
この法則は、
結合法則
というのでした。恐らく聞いたことがあると思います。
つまり、ある二項演算子
$\displaystyle{\circ}$
が、その台集合
$\displaystyle{\mathbb{A}}$
に対して結合法則を満たしているとき、
$\displaystyle{\mathbb{A}}$
は
$\displaystyle{\circ}$
に関して
半群
であるといいます。
また、演算子が明らかなときや、省略したい時は、ただ単に「
$\displaystyle{\mathbb{A}}$
は
半群
である」と言ったりします。
結合法則が成り立つもの、成り立たないものの例
例えば、足し算「+」や掛け算「×」は確かに結合法則が成り立ちます。
よって、実数(自然数や、整数、有理数でもよい)は+や×に関して半群です。
しかし、引き算「−」や割り算「÷」は結合法則は成り立ちません(自分で確かめてみよぅ!!)。
よって、実数は−に関して半群ではありません。
また、
$\displaystyle{a{\circ}b=a^b}$
や、
$\displaystyle{a{\circ}b=\sin(a+b)}$
のように定義された演算子
$\displaystyle{\circ}$
は、結合法則がなりたたないため、半群にはなりません。
ところで、二項演算子は数字だけでなくて、それ以外の対象にでも定義できます。
例えば、関数の集合があるとして、その集合で
$\displaystyle{\circ}$
という二項演算子を
$\displaystyle{f{\circ}g(x)=f(g(x))}$
のように定義しても大丈夫です(これは
合成関数
と呼ばれる)。
この関数に対する二項演算子には、結合法則が成り立つので(自分で確かめてね)、半群にとなります。
群になるためには!?
二項演算子が、結合法則を満たしているとき、その台集合のことを半群と呼ぶのでした。
しかし、「半群」とは名前の通り、まだ「群」ではありません。
「群」になるためには、まだまだ条件が必要です。
以下の条件を満たす半群が、群となることができます。
単位元を持っていること
全ての元に対して逆元を持つこと
「単位元」って何?「逆元」って何?それは次回で。。。
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