一次結合の意味するもの
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一次結合の意味するもの

前回も申し上げた通り、
一次結合はいくらでも作れます。
だって数なんて無限個あるわけですから、
$\displaystyle{k_1v_1+k_2v_2+\cdots+k_nv_n}$
の組み合わせも無限個つくれちゃうわけです。


重要なのは、一次結合では一体どんなベクトルが作れるかということです。

ところで、先ほど「ベクトル=座標」みたいなことを言いました。
例えば、
$\displaystyle{v=\begin{pmatrix}2\\1\end{pmatrix}}$
のようなベクトル$\displaystyle{v}$は座標(2,1)という点を表すことと考えてもいいです。

そう考えれば、
一体、一次結合全体からなるベクトルは、空間上のどのような領域を描くのでしょうか?



・・・というのが今回の課題です。

一つのベクトルの一次結合

$\displaystyle{v=\begin{pmatrix}1\\2\end{pmatrix}}$
としましょう。

この一つのベクトルの一次結合というのは$\displaystyle{k}$を任意の実数として
$\displaystyle{kv}$
でした。
・・・まぁ今回は一つのベクトルしかないのですから・・・

ところで$\displaystyle{k}$は任意の実数なので
$\displaystyle{1v=\begin{pmatrix}1\\2\end{pmatrix}}$
$\displaystyle{3v=\begin{pmatrix}3\\6\end{pmatrix}}$
$\displaystyle{\frac12v=\begin{pmatrix}{1/2}\\1\end{pmatrix}}$
$\displaystyle{-2v=\begin{pmatrix}{-2}\\{-4}\end{pmatrix}}$
これらみ〜〜んな$\displaystyle{v}$の一次結合です。

当然
$\displaystyle{0v=\begin{pmatrix}0\\0\end{pmatrix}}$
$\displaystyle{v}$の一次結合です。


ということを考えると・・・
$\displaystyle{kv=k\begin{pmatrix}1\\2\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}k\\{2k}\end{pmatrix}}$
となり、 ベクトル$\displaystyle{\begin{pmatrix}1\\2\end{pmatrix}}$の一時結合は 原点を通り、座標(1,2)を通る直線を描くことが分かりませんか?


つまり、こういうことです。
一つのベクトル$\displaystyle{v}$の 一次結合は単純に
$\displaystyle{kv}$と、 $\displaystyle{v}$のスカラー倍を表していますが、
これは原点を通り$\displaystyle{v}$向きの直線です。



まとめです。
一つのベクトルの一次結合全体からなる点は、原点を通る直線となる。

二つのベクトルの一次結合

例えば$\displaystyle{v_1,v_2}$の一次結合は
$\displaystyle{k_1v_1+k_2v_2}$
の形ですが、
これは高校数学では ベクトル$\displaystyle{v_1,v_2}$を通る平面を表していますね?


例として
$\displaystyle{v_1\begin{pmatrix}1\\0\end{pmatrix}, v_2=\begin{pmatrix}0\\1\end{pmatrix}}$
の一次結合$\displaystyle{k_1v_1+k_2v_2}$を考えます。


先程にも述べた“ベクトルと座標は同一視する”より
$\displaystyle{k_1v_1+k_2v_2=\begin{pmatrix}k_1\\k_2\end{pmatrix}}$は座標$\displaystyle{(k_1,k_2)}$と考えてもいいのですね?

よって$\displaystyle{v_1,v_2}$の一時結合は、
平面全体を描くことが分かると思います。



この例だけではなく、
例えば
$\displaystyle{v_1=\begin{pmatrix}1\\1\end{pmatrix}, v_2=\begin{pmatrix}0\\1\end{pmatrix}}$ の一時結合も平面を描くことになります。


次に3次元の場合を考えます。
例えば
$\displaystyle{v_1=\begin{pmatrix}1\\0\\2\end{pmatrix}, v_2=\begin{pmatrix}2\\1\\1\end{pmatrix}}$
は、原点を通り、三次元座標(1,0,2)と(2,1,1)を通る平面ということになります。
(↑こんなベクトルの一時結合なんて、考えるのは少し難しいかもしれませんが、これでも一応平面になります!!)

一次結合の幾何学的解釈

・・・と考えると、
一つのベクトルの一次結合の全体は直線を表し・・・
二つのベクトルの一次結合の全体は平面を表し・・・
三つのベクトルの一次結合の全体は3次元空間をを表し・・・
四つのベクトルの一次結合の全体は4次元超空間をを表し・・・

ということがいえます。


そう考えますと、
ベクトルというのは、空間を作る、いわば“材料”になることが分かります。
“ベクトル”という“材料”から、“一次結合”という方法を使い
他のベクトルをどんどん作り上げることができます。
そして、一次結合から作られるベクトル全体からなる領域は、
「直線」「平面」「空間」を形成します。

そういう意味で、もともとのベクトルは
「直線」or「平面」or「空間」の基底と呼ばれます。
※基底の明確な定義は後のページで述べます

例外

一つのベクトルの一次結合の全体は直線を表し・・・
二つのベクトルの一次結合の全体は平面を表し・・・
三つのベクトルの一次結合の全体は3次元空間を表し・・・
四つのベクトルの一次結合の全体は4次元超空間をを表し・・・



というのが前の主張でした。

しかし・・・絶対そうとは言い切れないのです。
そうはいかないときもあります!!!


例えば
$\displaystyle{v_1=\begin{pmatrix}1\\2\end{pmatrix}, v_2=\begin{pmatrix}2\\4\end{pmatrix}}$
としたとき、この2つの一次結合は、実は平面でなく直線を描きます。
実際、例えば
$\displaystyle{w=\begin{pmatrix}1\\0\end{pmatrix}}$
というベクトルは$\displaystyle{v_1,v_2}$の一次結合で表すことができません。

2つのベクトルの一次結合なのに、なぜか直線を描く・・・確かに例外ですね。



また
$\displaystyle{v_1=\begin{pmatrix}1\\1\\0\end{pmatrix}, v_2=\begin{pmatrix}1\\0\\1\end{pmatrix}, v_3=\begin{pmatrix}0\\{-1}\\1\end{pmatrix}}$
という3つのベクトルの一時結合は、実は3次元空間ではなく、平面になってしまいます。
実際、
$\displaystyle{\begin{pmatrix}0\\1\\1\end{pmatrix}}$
というベクトルは上の3つのベクトルの一時結合で表すことができません。



どのような時に、このような不便なことが起こるでしょうか?
それは、与えられたベクトルが一次独立でないときに起こります!!!

「一次独立」って何?
それは次回の話題にしますm(_ _)m

お 詫 び

さて、このページの解説はご理解いただけたでしょうか?


このページをより分かりやすくするためには、
もう少し図が必要ですね・・・
し、しかし!!管理人は絵が下手なのです...(/_;)

もし私が絵を上手に描くことができれば、もっと分かりやすい図を載せることができたのに・・・っ!
誰か、絵が得意な人いませんか〜〜〜?????C=(o>ロ)o

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