関係演算子

関係演算子とは?

「二項演算子」という言葉は、聞いたことがあるかと思います。

ご存知の通り、$\displaystyle{+-\times\div}$のことです。


それでは、「関係演算子」とは一体何なんでしょうか?
関係演算子の例としては、
$\displaystyle{=\neq\leqq\geqq{\lt}{\gt}}$
などが挙げられます。


関係演算子は二項演算子とは違ます。

二項演算子は「二つの元(分かりやすい例では数字)から、新しい元を作り出すもの」
という写像みたいなものですが、
関係演算子とは二つの元の関係を示す時に用いるものです。

例えば、
$\displaystyle{2{\leqq}3}$
は、「2より3の方が大きいよ〜」というような、二つの関係を表しているわけです。


このように、二つの元の関係を示す記号のことを、関係演算子といいます。



気づいたと思いますが、二項演算子が実際に使われているのは数字だけではありません。
部分集合などの記号$\displaystyle{\subset}$、も関係演算子です。


それ以外の例でも、例えば三角形の集合があるとして
三角形の合同を表す$\displaystyle{\equiv}$も一応関係演算子ですし、
三角形の相似を表す$\displaystyle{\propto}$も関係演算子です。

また集合の元がひらがなや国名でも何でもよかったように(集合論でやりました)、
ひらがなや国名に関係を定義しても大丈夫です!!!

関係演算子の定義

関係演算子とは、二つの元の間の関係を示すものでした。

また、関係演算子は、どのように定義しても大丈夫です!

例えば、「〜」という関係演算子があるとして、
これを
$\displaystyle{a{\sim}b\Rightarrow}$$\displaystyle{a}$$\displaystyle{b}$は、3で割ったときの余りが等しい
というように定義しても大丈夫です。

この場合、
$\displaystyle{2\sim5}$
$\displaystyle{3\sim6}$
$\displaystyle{7\sim1}$
という式が成り立つと思います。
なぜなら、
一番上の例では、2と5は3で割ると余りが二とも2になります。
二番目、三番目の例でも同じです。

また、「〜」を、
$\displaystyle{a{\sim}b\Rightarrow\frac{a}{b}=1}$ のように定義してもかまいません。
この場合、
$\displaystyle{2\sim2}$
$\displaystyle{3\sim3}$
$\displaystyle{4\sim4}$
と、aとbが同じ数だったら成り立ちそうです。
しかし、a=b=0だった場合、つまり
$\displaystyle{0\sim0}$
は成り立ちません。
なぜなら、$\displaystyle{\frac{0}{0}}$のように、分母が0のものは許されないからです。
つまり、この関係は0を除いた「=」と考えられそうですね!


このように、関係演算子はどのように定義しても大丈夫なのです。

直積の部分集合

関係演算子とは、直積の部分集合ではないか、
という見方もあります。
(→直積って何?)

例えば、
$\displaystyle{\mathbb{A}=\{1,2,3\}}$
のような集合を考えましょう。

この集合$\displaystyle{\mathbb{A}}$$\displaystyle{{\lt}}$という関係演算子が定義されているとして、
各元にそれぞれ
$\displaystyle{1{\lt}2}$
$\displaystyle{1{\lt}3}$
$\displaystyle{2{\lt}3}$
という関係が成り立っているとします。

このとき、
$\displaystyle{1{\lt}2}$$\displaystyle{(1,2)}$というように表し、

同様にして

$\displaystyle{1{\lt}3}$$\displaystyle{(1,3)}$
$\displaystyle{2{\lt}3}$$\displaystyle{(2,3)}$
というように表します。

このとき、$\displaystyle{{\lt}}$という関係演算子を
$\displaystyle{{\lt}}$の関係が成り立つ全てのものを集めた集合、つまり
$\displaystyle{\{(1,2),(1,3),(2,3)\}}$
のように定義し、
関係演算子自体を$\displaystyle{\mathbb{A}}$の直積の部分集合だと考えるのです。

・・・分かりにくかったら(-.-;)飛ばして頂いても構いませんが、こーゆー考え方もあるということです。

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