全順序集合と半順序集合
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実数上の関係演算子「≦」「≧」について

順序関係のことに関しては分かって頂けたでしょうか?
順序関係を定めると、何かと順番ができます。


ところで、実数上の関係演算子「≦」には、
どんな実数$\displaystyle{a}$$\displaystyle{b}$を選んでも、
$\displaystyle{a{\leqq}b}$

$\displaystyle{b{\leqq}a}$
の、少なくともどちらか一方が必ず成り立ちます。

どんな実数aとbを選んでも、a≦bもb≦aもどちらも成り立たない・・・
ということは、まずないでしょう。

このような順序関係のことを全順序関係と言います。
しかし、全順序関係でない順序関係も、作ろうと思えば、作ることができます。
例えば、以下にその例を示します。

半順序関係

例えば、2次元のベクトル間に対して、「≦」という順序関係を
$\displaystyle{\begin{pmatrix}a_1\\a_2\end{pmatrix}{\leqq}\begin{pmatrix}b_1\\b_2\end{pmatrix}{\Leftrightarrow}a_1{\leqq}b_1かつa_2{\leqq}b_2}$
と定義します。

例えば、
$\displaystyle{\begin{pmatrix}1\\2\end{pmatrix}{\leqq}\begin{pmatrix}3\\4\end{pmatrix}}$ とはなりますが、
$\displaystyle{\begin{pmatrix}2\\4\end{pmatrix}{\leqq}\begin{pmatrix}3\\1\end{pmatrix}}$ とはなりません。
なぜなら、第一成分だけで比べると2≦3ですが、
第二成分では、4≦1となり、成り立たないからです。


・・・というような順序関係を定めるとします。

ところで、この例を考えると、
$\displaystyle{\begin{pmatrix}2\\4\end{pmatrix}{\leqq}\begin{pmatrix}3\\1\end{pmatrix}}$
$\displaystyle{\begin{pmatrix}3\\1\end{pmatrix}{\leqq}\begin{pmatrix}2\\4\end{pmatrix}}$ も成り立ちません。

つまり、この順序関係では、
$\displaystyle{a{\leqq}b}$

$\displaystyle{b{\leqq}a}$
も成り立たくなってしまうことがあります。


つまり、「この順序関係では、aとbどっちが大きいの?」なんて言われても、
困ってしまうことがあります。

このような、順序関係のことを、半順序関係と言います。


ここで、定義をまとめたいと思います。

順序関係$\displaystyle{\leqq}$が全順序関係とは、
$\displaystyle{\forall{a,b}, a{\leqq}bまたはb{\leqq}a}$
であり、そうでない順序関係のことを半順序関係といいます。

半順序関係の例

半順序関係は分かっていただけましたか?

一見、半順序関係はあまりなじみのないものかもしれませんが、
以外なところにも半順序関係はあります。

例えば、集合の包含関係を表す
$\displaystyle{\mathbb{A}\subset\mathbb{B}}$$\displaystyle{\subset}$を順序関係とすれば、
これは半順序関係となります。

例えば、
$\displaystyle{\mathbb{A}=\{1,2,3,5\}}$
$\displaystyle{\mathbb{B}=\{1,2,3,4\}}$
をとると、これは明らかに
$\displaystyle{\mathbb{A}\subset\mathbb{B}}$
でも
$\displaystyle{\mathbb{B}\subset\mathbb{A}}$
でもありません。

よって、これは半順序集合となります。


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