例えば、
$\displaystyle{\forall{x},xは\mathrm{YUKI}が好き}$
は、「全ての人はYUKIが好き」という意味になり、
$\displaystyle{\exists{x},xは\mathrm{YUKI}が好き}$
は、「ある人がいて、その人はYUKIが好き」
つまり「YUKIのことが好きな人がいる」という意味になります。
また、
$\displaystyle{\forall{x},\mathrm{YUKI}はxが好き}$
は、「YUKIが全ての人が好き」という意味になり、
$\displaystyle{\exists{x},xは\mathrm{YUKI}が好き}$
は、「YUKIには好きな人がいる」という意味になります。
しかし、以下の場合はどうでしょうか?
$\displaystyle{\forall{x}\exists{y},xはyが好き}$
$\displaystyle{\cdots\cdots(1)}$
$\displaystyle{\exists{y}\forall{x},xはyが好き}$
$\displaystyle{\cdots\cdots(2)}$
このとき、(1)の意味は、「全ての人に好きな人がいる」という意味になり、
(2)の意味は、「全ての人から好かれている人がいる」という意味になります。
図に示すと、以下のようになりますかね?
左側が(1)の場合、右側が(2)の場合になると思います。
ただ∀と∃を入れ替えただけで意味が違ってくるということは、とても不思議に感じるかもしれないです。
なぜか∀の後にくる∃は、前の∀に依存してしまいます。
たとえば、∀x∃yとした場合は、xの値によってyが決まる、つまり「全てのxに対してあるyが存在する」という意味に暗黙的になってしまいます。
また∃y∀xとした場合は、xの値に関係なしにyが独立的に決められます。この場合、「全てのxに対して〜というようなyが少なくとも1つ存在する」という意味なります。
混乱しないでください。私も最初は混乱しましたが、そのうちだんだんと分かっていただければいいと思います(-o-;)
ちなみに、
$\displaystyle{\forall{y}\exists{x},xはyが好き}$
$\displaystyle{\cdots\cdots(3)}$
$\displaystyle{\exists{x}\forall{y},xはyが好き}$
$\displaystyle{\cdots\cdots(4)}$
の場合、(3)は「全ての人は誰かから好かれている」になり
(4)は「全ての人が好きな人がいる」となると思います。
さて、以上のことを踏まえて、以下の2つの命題・・・どちらか片方が正解です。
あなたには正解が分かりますか???
$\displaystyle{\forall{x}\in\mathbb{R}, \exists{y}\in\mathbb{R},x{\lt}y}$
$\displaystyle{\exists{y}\in\mathbb{R}, \forall{x}\in\mathbb{R},x{\lt}y}$
上が正解になります。
それぞれ
- どんな実数xに対しても、それよりも大きい実数yが存在する
- いかなる数よりも大きな実数yが存在する
となります。下の方は、無限大みたいなものを考えなくちゃダメです。