全ての終域の元の逆像が高々1個(多くても1個という意味。つまり0個の場合でもよい)しか存在しないとき、この写像のことを
単射といいます。
また図に示してみましょう。
左側の写像は単射になりますが、右側は単射ではありません。
右側の写像の例で、終域の元cを見てみますと、cの逆像は2と3と、2つ存在します。
このように、終域の元の中に一つでも、逆像が複数あるものが存在すれば単射とはいえません。
そのかわり、左側の写像の例を見ますと、終域の元のうち逆像が複数あるものは1つもありません。
ところで、左側の終域のeという元は逆像がありませんが、高々1つの逆像を持てばいいので、逆像を持ってない場合でもOKです!!
また、単射は
1対1の写像と呼ばれることがあります。
ところで、
のような写像があるとしましょう。
なんとなく分かると思いますが、この
$\displaystyle{\mathbb{A}}$と
$\displaystyle{\mathbb{B}}$では、
どのように写像をとっても単射を作ることができません。
なぜなら、始域よりも終域が少ないため、始域の元を全て終域に対応させようとすると、どうしても対応が重なってしまうからです。
だから、始域の元の数よりも終域の元の数の方が少ない場合、単射をとることはできません