ZFCの公理系

集合論を公理化する

“公理”というのを分かって頂けたでしょうか?
公理とは、本当に基本的な“仮定”なのです。


さて、ここで本題に戻りますm(_ _)m



最初のページで紹介したラッセルのパラドックスのように、
ただ“集合”を「物の集まり」としただけでは、いろいろな点で問題が発生するのでした。


そこで!!!!
私たちが扱っている“集合論”に、以下の公理を設けます。
一番代表的なのは、以下に述べるZFCの公理系ですね。

ZF公理系

・ある特別な集合の存在性を示す公理










・集合の性質を規定する公理



これらが集合論の公理です

以上が、集合論の公理です。
どうですか?見るに堪えないものでしょう(笑)


実際、数学を専門にやっている人でも、
この公理群を見ただけでは何を意味しているのか、さっぱり分かりらないと思います。

だから、
数学者はこんなものを理解できなくちゃだめなんだ…。私は数学は向いてないナ・・・(/_;)
なんて思わなくても、全っっ然☆大丈夫ですよ。


現段階では、この公理の意味を無理やり理解しなくてもいいですよf^^;
ということで、次回からはこれらの公理の解説に参ります。
よろしくお願いします〜☆




ここで、上の公理を見て分かる通り、

みたいな、我々の馴染み深い、集合の記法があまり見られませんね?
集合というのは、いくつかの元たちを、大かっこ→{,}という記号を使って記述するものでした。
しかし、そんな大かっこが、公理の中にはあまり現れていませんね?
実は公理的集合論においては、元と集合をあまり区別しません!!!
集合らしい性質を、公理群が規定しているようなものなんです。

↑という事実は、まだ最初は分からないと思いますので、あまり気にしなくてもいいです。


ちなみに、上の公理群のことをZF公理系と呼ばれます。
「ツェルメロ」さんの頭文字“Z”と
「フレンケル」さんの頭文字“F”をとったものですね!

選択公理



これが選択公理と呼ばれるものです。


どうです?
これも見るに堪えない形をしていますよね?



さてさて、この選択公理ですが、
実はとても奥の深いものです。


例えば、集合論をあまり専門的にやっていない分野の人でも、
この選択公理というものが、とても絡んでくるのです。


代数・解析・幾何の諸分野でも、
選択公理を認めるか否かで、現れる数学的な結果が違ってくる・・・そんなことがよく起こります。


選択公理・・・それはかなり不思議な公理なのです。

ZF公理系+選択公理=ZFC公理系

ZF公理系と選択公理を合わせてZFC公理系と言います。

ZFCの“C”は“Axiom of choice”(選択公理の英訳)の頭文字です。

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