命題・述語

まずは・・・

まず前回も述べたとおり「公理」というものの解説をしたいのですが、
その前に定義・命題・定理・述語などの用語の意味すら分からない人のために、軽〜く解説します。

特に「定義」と「定理」と意味をごっちゃにしている人が多いそうです。
確かに言葉としては似ていますが、意味は全く違います。
実際、英語では
「定義:definition」「定理:theorem」
と、英訳が全く違います。

命題とは

命題とは、主張のことです。
  • 偶数と偶数の和は偶数である
  • 11は素数である
  • 関数fが微分可能ならば関数fは連続である
  • 任意の群Gに対して、その群Gの単位元は一意的に存在する
  • 4は素数である
  • 任意の集合A,Bに対してA⊂A∪B
以上が命題の例ですね。


数学の世界では、命題は普通かどちらかの値をとります。

数学ではよく「この命題は正しのか!!!」なんて議論が絶えないですね!!


つまり、命題というのは・・・まぁ文章って言っちゃっていいのかな?
ちなみに、上の6つの中に、一つだけ「偽」の命題がありますが・・・どれだかもう分かりますよね?

定理・系・補題

そして、きちんと真であると証明された命題のことを定理といいます!!
ちなみに定理を証明するために用いられる命題のことを、その定理の補題
その定理から簡単に導かれる命題のことをといいます。



定理といえば、いろいろな定理がありますね!!!
ピタゴラスの定理・代数学の基本定理・ケーリーハミルトンの定理・コーシーの積分定理・フェルマーの定理・・・・etc

例えば、フェルマーの定理は有名ですね?
$\displaystyle{ n \geqq 3}$のとき
$\displaystyle{a^n+b^n=c^n}$
を満たすような自然数$\displaystyle{a,b,c}$は存在しない!!


例えば、このフェルマーの定理より以下の事実が導けます!!
$\displaystyle{n \geqq 3}$のとき $\displaystyle{a^3+b^3=c^3}$ を満たすような自然数$\displaystyle{a,b,c}$は存在しない


これは、フェルマーの定理の「系」ですよね?
フェルマーの定理のnに3を代入しただけです。
このように、ある定理から簡単に導くことのできる命題のことを系というのです。

述語とは?

数学をやっている人でも“述語”を知らない人は多いようです。

はい!
まず「命題」とは真or偽という属性がついているものでした。
一方「述語」とは、まず値を受け取ってから真か偽か決まるものです。

  • $\displaystyle{P(x) = 0 \leqq x}$
としたときPは述語になります。

例えば
$\displaystyle{P(3)}$→真
$\displaystyle{P(-1)}$→偽
$\displaystyle{P(0)}$→真
$\displaystyle{P(100)}$→真
$\displaystyle{P(-4)}$→偽



ほら☆確かに値を受け取ってから真か偽のどちらかが決まりますよね?
述語は関数と少し似ているところがあります。
たとえば
値を受け取ったら、それに対応する値を出力します。
例えばに3を与えたら、
ということで9が出力されます。


つまり、まとめますと、
「関数:値を渡す→新しい値を出力する」
に対し
「述語:値を渡す→真か偽かを出力する」
ということです。




述語の例としては“=”があります。
=も2つの値を与えると真or偽を出力する述語になりますよね?

公理とは?

さてさて、次は公理です。
“公理”とは、この「公理的集合論」のタイトルにもなっていますよね!
まぁそれはいいとして。。。


「公理」も命題の一種なのですが、
この「公理」という言葉を説明するのは、とても難しいです。
「公理は仮定だよっ!!」というような説明文はよく聞きます。
そう、“公理”とは真と仮定された命題のことです!!
公理をいくつか設けることにより、数学は作られていきますのです!!
与えられた命題を、公理とするかどうかは、数学者の好みです!!!


さて、公理というものが分かりましたか?
はい。分かるわきゃないですね・・・(><)


だから、公理という言葉を説明するのは難しいので、
これから例を出しながら説明していきます。。。

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