さて、前回はペアノの公理というものを紹介しましたよね?
「次の5つの条件を満たすような集合
と、
上の関数
が存在する。」
ペアノの公理って、確かこんな↑↑感じでしたよね?
さて、重要な点は、
我々は「ペアノの公理」という命題を証明も無しに用いていることです!!
本当は“以下の条件を満たす”集合
や関数
の存在性を証明したいところですが、
その証明を全くやっておりません!!
普通、証明もしていない命題を使うのは危険です。
真なのか偽なのか曖昧な議論になってしまいますからねぇ・・・
それにも関らず、我々は「ペアノの公理は真」であると“仮定”して議論を進めてきました!!
そう、もう分かりましたか?
“公理”とは、本当に根本的な“仮定”なのです。
別に、ペアノの公理の代わりに
“ペアノの公理の否定”を公理と置いてもいいのです。つまり
「次の5つの条件を満たすような集合
と、
上の関数
が
存在しない!!」
というのを公理に置いてもいいですよ!!
まぁ、これを
“反ペアノの公理”とでも呼びましょうか(笑)
ペアノの公理を仮定する代わりに、
「反ペアノの公理」を仮定したら、
まだ我々が想像にもしない、新しい数学が生まれるかもしれません。
逆に公理がなければ、数学的な議論は何もできません。
まず最初に公理がなければ、
何が真なのか偽なのか、
何もかもが分からない世界になってしまうのです。