この3つの公理は、「
開集合の定義」のページで述べた開集合の性質です。
さてさて、それでは復習のつもりで、この公理を順に追っていきましょう。
まずは、[O
1]ですね。
これは、実数全体の集合、つまり
$\displaystyle{(-\infty,\infty)}$や、
空集合も開集合として考えるということは、前回も説明した通りです。
さて、次は[O
2]です。
開集合と開集合の和集合も開集合になることは前回もお話しました。
ところで、「任意個の和集合」と書きましたので、
開集合の和集合を何回とっても、開集合になります。
もちろん、無限個の開集合で和集合をとってもOKです。
だから、
$\displaystyle{\bigcup_{x=1}^\infty(x-1,x)=(0,1)\cup(1,2)\cup(2,3)\cup\cdots}$
も開集合です!!!
次に[O
3]です。
前回では、2つの開集合の共通部分も開集合になることを言いました。
ところで、有限個の開集合の共通部分も開集合になることは、
「2つの開集合の共通部分は開集合になる」という条件から帰納的に示せます。
例えば、3つの開集合
$\displaystyle{\mathbb{A},\mathbb{B},\mathbb{C}}$の共通部分を考えます。
$\displaystyle{\mathbb{A}\cap\mathbb{B}}$は開集合です。
開集合
$\displaystyle{\mathbb{A}\cap\mathbb{B}}$と開集合
$\displaystyle{\mathbb{C}}$の共通部分も開集合になりますので、
結果
$\displaystyle{\mathbb{A}\cap\mathbb{B}\cap\mathbb{C}}$も開集合になります。
しかし、「
有限個の共通部分」、ということに気をつけてください。
開集合の共通部分を無限回とったら、開集合じゃなくなってしまう場合もあります。
例えば、
$\displaystyle{\bigcap_{x=1}^\infty(-\frac1x,\frac1x)=(-1,1)\cap(-\frac12,\frac12)\cap(-\frac13,\frac13)\cap\cdots=\{0\}}$
というように、この無限個の共通部分は、0だけを含む集合になってしまいます。
一つだけの元を持った集合は閉集合なので、開集合の無限個の共通部分も開集合になるとは限らないのです。
(一つの元しか持たない集合は閉集合であって開集合ではない、とうのは前回と同じところです)