1次元の位相空間で例を
実数$\displaystyle{\mathbb{R}}$に通常の位相が入っているとします。
さて、0は実数$\displaystyle{\mathbb{R}}$の元ですが、
0の近傍はどんなものになるでしょうか?
0を含む開集合といえば
$\displaystyle{(-1,1)}$
$\displaystyle{(-100,100)}$
$\displaystyle{(-1,1)\cup(2,4)}$
$\displaystyle{(-\infty,\infty)=\mathbb{R}}$
など、いろいろなものが考えられます。
これらを部分集合として含むものは、どんなものでも近傍です。
たとえば閉区間$\displaystyle{[-1,1]}$は
$\displaystyle{(-1,1)\subset[-1,1]}$なので、
$\displaystyle{[-1,1]}$は0の近傍です。
それに$\displaystyle{(-1,1)\cup\{10000000\}}$も0の近傍だし、
$\displaystyle{\mathbb{R}}$自身も0の近傍になります。
当然$\displaystyle{(-1,1)}$自身も0の近傍ですよね?
・・・と考えると、“近傍”っていかにも「近そう」なニュアンスを含めた言葉ですけど、
全然近くありませんね。
一体何なんだ・・・この用語は(・。・)
開近傍
さてと・・・。
$\displaystyle{X}$を位相空間とします。
ここで、$\displaystyle{U_a}$を開集合としましょう。
このとき、もし$\displaystyle{a{\in}U_a}$ならば、
$\displaystyle{U_a}$は$\displaystyle{a}$の近傍ですよね?
つまり、
開集合自身も、近傍となるのです。
このことは、近傍の定義をもう一度確認してみれば、分かることですね↓↓↓
(↑数学は、定義に振り返ってみることが大切です!!)
$\displaystyle{U_a}$が$\displaystyle{a}$の近傍
とは、
ある開集合$\displaystyle{O}$が存在して、
$\displaystyle{a{\in}O{\subset}U_a}$
となることである・・・
このときの$\displaystyle{O}$を$\displaystyle{U_a}$とおけばよいのです。
開集合である近傍のことを開近傍といいます。