開集合と閉集合
区間
今までの数学では、
「3よりも大きくて4よりも小さい実数」
「−2以上で6以下の実数」
「2以上で5より小さい実数」
のように、実数$\displaystyle{\mathbb{R}}$上で、
どこからどこまで、という区間を指定することがありましたよね?
今回は区間の指定の仕方について述べていきたいと思います。
$\displaystyle{a}$
と
$\displaystyle{b}$
を実数として、
「aよりも大きくてbよりも小さな実数」の区間は、
$\displaystyle{(a,b)}$
というように表されます。
今度は、「a以上でb以下の実数」の区間は、
$\displaystyle{[a,b]}$
と表されます。
今、$\displaystyle{()}$と$\displaystyle{[]}$の二種類の括弧を使いましたが、
違いは端を含むか含まないかの違いだけです。
端は含めない時$\displaystyle{()}$を使い、
端を含めたい時$\displaystyle{[]}$を使います。
例えば、
$\displaystyle{(0,1)}$
は「0より大きくて1より小さい」区間を示しているので、
はしっこである0や1はこの中には含まれません。
当然、
$\displaystyle{[0,1]}$
であれば、端である0や1も含まれます。
だって、「0以上」といえば、0も含んで0より大きな数のことを言ってるのだから・・・
それでは、「0以上で1より小さい実数」みたいに、
0は含まれるが1は含んでいない、という区間を表すには???
これは、 以下のように表されます。
$\displaystyle{[0,1)}$
なんだか、右と左で括弧の形が違うのは最初は違和感があると思いますが・・・
そこは何とか軽く目をつぶってください(^^;
ちなみに、
$\displaystyle{(0,1]}$
は、「0より大きくて1以下の実数」を表しています。
再確認ですっ!!!
冒頭でお話した、
「3よりも大きくて4よりも小さい実数」
「−2以上で6以下の実数」
「2以上で5より小さい実数」
の区間はそれぞれ以下のように表されます。
$\displaystyle{(3,4)}$
$\displaystyle{[-2,6]}$
$\displaystyle{[2,5)}$
開区間と閉区間
区間を示すとき、一般的に
両端を含まない区間、
例えば$\displaystyle{(0,1)}$のようなものは、開区間と言います。
逆に、
両端を含む区間、
例えば$\displaystyle{[0,1]}$のようなものは、閉区間と言います。
開区間と閉区間を集合論風に表すとすれば、
$\displaystyle{(a,b)=\{x | a{\lt}x{\lt}b\}}$
$\displaystyle{[a,b]=\{x | a{\le}x{\le}b\}}$
となります。
開集合と閉集合
この「位相」のページでは、
これからどんどん開集合やら閉集合という用語が出てきます。
開集合は開区間みたいなものです。
閉集合は閉区間みたいなものです。
でも、本当は“開区間”と”開集合”は、別物なんです。
位相を学ぶ人の中には“開集合”と“開区間”を間違えてしまう人がたくさんいるので、気をつけて下さい!!!
開集合・閉集合の説明は、また次の機会で。
∞の区間について
それでは、
「3よりも大きな実数」や
「1以下の実数」は、
先ほどの書き方ではどのように書けるのでしょうか??
「3よりも大きな実数」は、
「3より大きくて無限大∞よりも小さい区間」と考えられるので、
$\displaystyle{(3,\infty)}$
と書きます。
同様にして
「1以下の実数」は、
「−∞よりも大きくて1以下の区間」と考えると、
$\displaystyle{(-\infty,1]}$
当然ですが、
$\displaystyle{(-\infty, \infty)}$
は「−∞から∞の間の実数」、つまり全ての実数のことを言っています。