準開基

開基にしよう

開基はご理解できましたか?

中には開基にすらなれないものも存在するということです。
$\displaystyle{\mathbb{X}=\{a,b,c\}}$

$\displaystyle{\mathscr{S}=\{\{a,b\},\{b,c\}\}}$
これで位相は生成できません。

前回やったように、どうしても共通部分をとったら含まれないものがある・・・
つまり位相の公理[O3]を満たさないものが出てきます。


「じゃぁ、今度はそれに適当な元を加えたら開基になるのでは?」
という考えがあります。
例えば$\displaystyle{\mathscr{S}}$が開基じゃないとしたら、
生成したら位相になるように適当な元を加えてやるのです。

つまり$\displaystyle{\mathscr{S}}$当な元をとってきて、
その共通部分を新しく加える、ということで開基が作れます。

演習問題♪

それでわ、今回も例を出して解説します♪
$\displaystyle{\mathbb{X}=\{a,b,c\}}$
$\displaystyle{\mathscr{S}=\{\{a,b\},\{b,c\}\}}$
この中から適当なものをいくつか取ってきて、その共通部分をとります。
{a,b}∩{b,c}={b}
また、ゼロ個の元をとってきて、その共通部分をとっても空集合になる、という理屈で空集合を加えます。(この考え方は、前回の開基にも適応しました)

こうして、
$\displaystyle{\mathscr{B}=\{\{b\},\{a,b\},\{b,c\}\}}$
$\displaystyle{\mathscr{S}}$に新しく{b}を付け加えます。

ところで$\displaystyle{\mathscr{B}}$はちゃんと開基になってます。
$\displaystyle{\mathscr{B}}$の元の和集合
{a,b}∪{b,c}={a,b,c}=$\displaystyle{\mathbb{X}}$
より、位相$\displaystyle{\mathscr{T}}$
$\displaystyle{\mathscr{T}=\{\psi,\{b\},\{a,b\},\{b,c\},\mathbb{X}\}}$
となり、ちゃんと位相になっています。


このように$\displaystyle{\mathscr{S}}$から開基$\displaystyle{\mathscr{B}}$が生成されるとき、
$\displaystyle{\mathscr{S}}$$\displaystyle{\mathscr{T}}$準開基と言います。

準開基→開基→位相

以上が、位相を生成する手順でした☆

◆まとめます◆
$\displaystyle{\mathscr{S}}$から適当な有限個の元を取ってきて、その共通部分を新しく加え、
開基$\displaystyle{\mathscr{B}}$を作ります。

次に$\displaystyle{\mathscr{B}}$から適当な任意個の元を取ってきて、その和集合を新しく加え、
位相$\displaystyle{\mathscr{T}}$を作ります。


気をつけるべきところは、
開基を作るとき、有限個の元を取ってくる、ということです。
位相の公理[O3]より、「有限個」の共通部分・・・というところに気を付けてください。

戻る