位相とは?
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やっぱり数学は抽象化?

お待たせしました〜。
ここからがメインです。

今までの数学(特にレベル7)では、主に「抽象化」というものをしていきました。
「群」では「二項演算子」という概念を抽象化しました。
「順序関係」では「関係演算子」という概念を抽象化しました。
この「位相」では、一体どんな概念が抽象化されるのでしょうか?

これからは、「空間」などの概念が抽象化されますが・・・
まず前準備として、ここでは「開集合」という概念を抽象化します。


・・・ところで、「位相」という言葉から皆さんは一体何を連想しましたか?
もし物理に関わる人ならば、波の位相を思い浮かべたかと思いますが、
そちらの「位相」は「phase」と訳されます。

これからやる「位相」は「topology」です。

位相の定義

$\displaystyle{\mathbb{X}}$を集合とします。

そして、$\displaystyle{\mathscr{T}}$を、$\displaystyle{\mathbb{X}}$の部分集合のとします。
(※↑↑集合を元にもつ集合、つまり「集合の集合」のことを“族”と言いうことがあります。)

そして、この$\displaystyle{\mathscr{T}}$が以下の3つの公理をみたすとき、 $\displaystyle{\mathscr{T}}$$\displaystyle{\mathbb{X}}$位相と言います。
このとき、集合$\displaystyle{\mathbb{X}}$のことを、開集合$\displaystyle{\mathscr{T}}$に対する位相空間と言います。
[O1
$\displaystyle{\mathbb{X}}$と空集合$\displaystyle{\phi}$$\displaystyle{\mathscr{T}}$に含まれる
[O2
$\displaystyle{\mathscr{T}}$の元の、任意個の和集合も$\displaystyle{\mathscr{T}}$に含まれる
[O3
$\displaystyle{\mathscr{T}}$の元の、有限個の共通部分も$\displaystyle{\mathscr{T}}$に含まれる
この上の3つの公理のことを開集合の公理と言います。
また、$\displaystyle{\mathscr{T}}$の元は開集合と呼ばれます。



あと、当然だとは思いますけど$\displaystyle{\phi}$は空集合を意味しますので。m(_ _)m

例えば

例を挙げます。
$\displaystyle{\mathbb{X}=\{a,b,c,d,e\}}$
とします。

$\displaystyle{\mathscr{T}=\{\phi,\{a\},\{c,d\},\{a,c,d\},\{b,c,d,e\},\mathbb{X}\}}$
このとき$\displaystyle{\mathscr{T}}$$\displaystyle{\mathbb{X}}$の位相になります。
なぜなら、$\displaystyle{\mathscr{T}}$のどの元をとって和集合や共通部分をとって作られた元も$\displaystyle{\mathscr{T}}$に含まれます。




しかし、
$\displaystyle{\mathscr{T}=\{\phi,\{a\},\{c,d\},\{a,c,d\},\{b,c,e\},\mathbb{X}\}}$
これは$\displaystyle{\mathbb{X}}$の位相になってません。

なぜなら、$\displaystyle{\mathscr{T}}$から二つの元 $\displaystyle{\{a\}}$$\displaystyle{\{b,c,e\}}$をとってきて、その和集合をとると、
$\displaystyle{\{a\}\cup\{b,c,e\}=\{a,b,c,e\}}$
となりますが、
$\displaystyle{\{a,b,c,e\}}$$\displaystyle{\mathscr{T}}$の元ではないからです。



また、
$\displaystyle{\mathscr{T}=\{\psi,\{a\},\{c,d\},\{a,c,d\},\{a,b,d,e\},\mathbb{X}\}}$
これも$\displaystyle{\mathbb{X}}$の位相になってません。

なぜなら$\displaystyle{\mathscr{T}}$から二つの元 $\displaystyle{\{c,d\}}$$\displaystyle{\{a,b,d,e\}}$の共通部分は、
$\displaystyle{\{c,d\}\cap\{a,b,d,e\}=\{d\}}$
となりますが、
$\displaystyle{\{d\}}$$\displaystyle{\mathscr{T}}$の元に含まれていません。

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