少し余談ですが・・・
「物体に力を加えたら、物体は動くんだよね?」
とか
「物体に力を加えなかったら、物体は止まるんだよね?」
と考えている人はいませんか!?
この考え方は物理を、できなくしてしまいます。
これからの議論は、少々ややこしいので、何回も繰り返しよむことをオススメします☆
まず運動方程式を思い出してください。(高校の時にやったかな?)
$\displaystyle{F}$を力、
$\displaystyle{m}$を質量、
$\displaystyle{a}$を加速度として
$\displaystyle{F=ma}$
が成り立ちます。
これをみて分かるように、力と加速度は密接な関係にあり、
切っても切っても切り離せない絆で結ばれています。
加速度の働いていない物体は力なんて働いていません。
同様に力がなければ加速度なんておこりません。
※ちなみに、速度の単位は(m/s)で加速度の単位は(m/s2)です。
例えば3m/sは一秒間に3m進む速度のことをしめしていて、
3m/s2は一秒間に3m/s速度が増える加速度を示しています。
・・・とここで疑問に思うかもしれませんが。
「私たちは地球にいる限り重力という“力”が働いているのに、ちゃんと止まることができるよ!?」
確かに、そこらに落ちている石にも、重力が働いていますが・・・止まってますね。全然加速度運動してませんよね?
ということは、石に働いている力は結局ゼロNなのです。
何がゼロNかって??そう、合力が!!!
確かに石には重力は働いていますが、地面に接触している限り、垂直抗力という力が働き、
結局重力と垂直抗力が働き、つりあってゼロNになります。
確かに垂直抗力を外す(例えば地面に接触していないとき)は、重力だけが働き、加速度運動します。
運動方程式F=maだけで見ると、
「力が全く働いていない」であるのと「力は働いているが、つりあって力の合力がゼロN」は全く等価です。
なぜなら、物理でいう“力”とは、加速度を生じさせるモノなのです。
これも日常での“力”と物理での“力”の違いなのでしょうか?
合力がゼロでないときは、加速度運動をするのです。
さてさて、力が働いているときは、加速度運動をするのでした。
それでは力が働いていない時は・・・?
運動方程式から分かるように、加速度は0になります。
つまり、「止まる??」ぢゃなくて、「等速直線運動」をします。
ところで、「静止状態」もアリです。
なぜなら「静止状態」も、速度が0の等速直線運動と考えられます。
だから、力を加えなければ、
止まっている物体は止まったままだし、
動いている物体はそのままの速度で動き続けます(これを慣性の法則といいます)
でも・・・?(・_・;)
確かに物体を転がしたら、しだいに減速していって、いずれかは止まってしまいますが・・・
これは、動く物体には「摩擦力」という力が働いているためです。
摩擦力が働くから、物体が加速度運動するのです。
「あれ・・・加速度運動?減速してるのに?」
と思うかもしれませんが、「減速」も「大きさがマイナスの加速度運動」と考えます。
ところで、「マイナスの加速度」とか、けっこう曖昧ですね?
・・・何が?と思うかもしれませんが、
以下の図のように
右にマイナスの力が働いているとも考えられるし、左にプラスの力が働いていると考えてもいいわけです。
ただ符号の違いだけですが・・・
でも普通は正になるベクトルの向きを基準に考えます。
この場合、左に力が働いていると考えると力は正になるので、力の向きは左と考えるわけです。
まぁ要するに、力を加えなかったら、等速直線運動する、ということです。
くれぐれも、
$\displaystyle{v}$を速度として
$\displaystyle{F=mv}$
としてはいけませんよ。
力がなくても、物体は動きます。
ボールを横にチョンと転がしたとき、手を離してもボールは確かに少し動き続けますが、
「それは力が残っていて、その力で横に動いているんだよね?」
そんなことは、絶対にありませんっ!!!!!
そもそも力は、物体と物体が接触しなければ働きません。
物体を押す時、手で押すとか何かして、確かに物体に触れているでしょ?
離れいても働く力は、
と、この3つしかありません。
でもなきゃ、超能力だよ、ホント。。。