OCamlテクニック/let-poly のバックアップ(No.1)

let多相には色々と種類があるので、ちと注意が必要です。

値制限のlet多相 &dagger;

参照型と型安全を両立させるため、let多相を値に制限する方法。 TAPLでも紹介されています。値制限は、かなーり厳しい。

# let fst (x, _) = x;;
val fst : 'a * 'b -> 'a = <fun>
# let v = fst ([], ());;
val v : '_a list = []
#

fst ([], ()) は値ではなく、関数適用なので、多相にはならない。

↑

OCamlのlet多相には基本的に値制限が付いています。ただし、型変数がcovariantな位置に現れる場合は、subtype関係から多相が回復します。

# let fst (x, _) = x;;
val fst : 'a * 'b -> 'a = <fun>
# let v = fst ([], ());;
val v : 'a list = []
#

大堀先生が考案され、SML# に実装されている方法です。

GHCはこれ。