元の位数
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位数

今回は位数についてお話したいと思います(あれ?どっかで出てきたような言葉・・・?)


$\displaystyle{a^n=e}$
を満たす自然数nの中で最も小さな数のことを、
$\displaystyle{a}$位数といいます。
ただし、$\displaystyle{e}$は単位元です。


つまり位数とは、何回演算したら単位元になるか、ということです。

例えば、
$\displaystyle{\{i,-1,-i,1\}}$
は掛け算$\displaystyle{\times}$に関して群をなしていて、この群の単位元は$\displaystyle{1}$となっています。
この場合、$\displaystyle{i}$の位数は4となります。
$\displaystyle{i^4=1}$
つまり$\displaystyle{i}$を4回掛けたら単位元になるからです。

また、$\displaystyle{-1}$の位数は2です。
$\displaystyle{(-1)^2=1}$
だからです。



ところで少し鋭い人は気づくかもしれませんが、
$\displaystyle{(-1)^2=(-1)^4=(-1)^6=(-1)^8=1}$
$\displaystyle{i^4=i-8=1}$
なわけだから、
$\displaystyle{-1}$の位数は2だけじゃなくて、4でも6でも8でもあるし、
$\displaystyle{i}$の位数は4だけじゃなくて8もそうだよ!!!

・・・なんてツッコミが来そうですが、
位数とは、その中で一番小さな数(正確には1番小さな自然数)が来ます
だから結局、$\displaystyle{-1}$の位数は2であり、
$\displaystyle{i}$の位数は4になります。


また、単位元(この例の場合、単位元は$\displaystyle{1}$になっている)の位数は、1と決めます。



また、整数全体の集合$\displaystyle{\mathbb{Z}}$$\displaystyle{+}$という演算子、つまり足し算に関して群となりますが、
この場合単位元は$\displaystyle{0}$となる、というのはよろしいですか?

そう考えると、例えば整数$\displaystyle{\mathbb{Z}}$の元である$\displaystyle{1}$を何回$\displaystyle{+}$を演算させても、
単位元、つまり$\displaystyle{0}$にはなりません。
$\displaystyle{1+1+1+\cdots+1\neq0}$です。
このように、何回演算させても単位元にならない、ということで$\displaystyle{1}$位数は∞であるとします。

位数再び

そういえば、「位数」という用語は、以前にも出てきましたよね?
そうです!「位数」というのは、群の元の個数のことでした。


同じ名前で紛らわしいですが、
です。間違えないように。。。


でも、元$\displaystyle{a}$の位数がnならば、
$\displaystyle{a}$から生成される巡回群 $\displaystyle{{<}a{>}}$の位数(このときの「位数」は元の数という意味になります)はnになります。

だから、「元の位数」という使い方をするのは、「その元で生成される巡回群の位数」ということからなのでしょうか?

有限群の元の位数

もし群$\displaystyle{\mathbb{G}}$が有限群だとしたら、
$\displaystyle{\mathbb{G}}$の任意の元$\displaystyle{a}$の位数は絶対に有限になります。
∞にはなりません。

なぜなら、$\displaystyle{a}$から生成される巡回群 $\displaystyle{{<}a{>}}$は、
必ず群$\displaystyle{\mathbb{G}}$の部分群になります。
$\displaystyle{\mathbb{G}}$が有限集合ですので、その部分集合である $\displaystyle{{<}a{>}}$のほうが元の数が少ないのは当然です。

つまり、$\displaystyle{a}$が有限群の元の時、 $\displaystyle{{<}a{>}}$は有限巡回群になります。


前回、有限巡回群の場合、同じ元を何回か演算したらもとに戻るということを話したのですが、
有限群の任意の元$\displaystyle{a}$から生成された巡回群は必ず有限巡回群になるので、
有限群の場合も同じ元を何回か演算しても、もとの元に戻ります。


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