直積

集合の直積

$\displaystyle{\mathbb{A}=\{1,2\}}$
$\displaystyle{\mathbb{B}=\{a,b,c\}}$
のような集合$\displaystyle{\mathbb{A}}$と集合$\displaystyle{\mathbb{B}}$があるとします。

このとき、集合$\displaystyle{\mathbb{A}}$の元と集合$\displaystyle{\mathbb{B}}$の元との対(ペア)を全て集めたもの、
つまり
$\displaystyle{\{(1,a),(1,b),(1,c),(2,a),(2,b),(2,c)\}}$
のことを、集合$\displaystyle{\mathbb{A}}$と集合$\displaystyle{\mathbb{B}}$の、直積といい、
$\displaystyle{\mathbb{A}\times\mathbb{B}}$
と表します。

この場合、集合$\displaystyle{\mathbb{A}}$の元の数は2個、集合$\displaystyle{\mathbb{B}}$の元の数は3個なので、
組み合わせは2×3個、つまり6個あることが分かると思います。

ちなみに、直積のことを、内包的記法で表すと、以下のようになります。

$\displaystyle{\mathbb{A}\times\mathbb{B}=\{(a,b)|a\in\mathbb{A},b\in\mathbb{B}\}}$

上の記述は、今までと比べ、少し難しく感じませんか?
だんだんごちゃごちゃしてきましたけど、このような内包的記法にも、がんばって慣れて下さい。

・・・何これ?→(1,a)

もし、この直積のことを初めてやる人ならば、この括弧つきのものに少し戸惑いを隠さずにはいられないでしょう。


$\displaystyle{(1,a)}$って一体何なんでしょう?
これは1とaを含んだ一種の集合なのでしょうか?

いや、これは1とaを含んだ集合ではありません。
一般に
$\displaystyle{(1,a)\neq(a,1)}$
なため、
もしこれが集合だとしたら、集合には順番は関係ないという性質のため、(1,a)と(a,1)は同じものとして、扱ってしまいます。

だから、これは「二つの元をセットにした、1つの元」というように、無理やり理解してください。

直積を利用した例として、座標があります。
座標は(x,y)のように、表され、これは
$\displaystyle{\mathbb{R}\times\mathbb{R}}$
と見ることができないでしょうか?

ところで、覚えていますか?実数全体の集合を$\displaystyle{\mathbb{R}}$で表すことを。
もし忘れてしまった方は、コチラをご覧下さい。

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