ここで、鋭い人は「ん?」とか「あれ?」とか「ほわゎ?」とか思ったかもしれません。
なぜなら、集合の元は、どんなものでも許されます。
たとえば、偶数の集合の補集合は奇数の集合でしょうか?
確かに奇数は偶数の集合には入りませんが、よく考えれば、
整数以外の有理数や実数も偶数の集合に入らないため、偶数の補集合の元になってしまうのではないでしょうか?
また、集合の元としてはa,bなどのアルファベット、ひらがな、国名など、なんでもOKだったはずなので、
ただ偶数の補集合を考えただけで、数字以外の関係ないものもごちゃごちゃした、とんでもない膨大な集合になってしまいます。
そんなことを考えれば、とても補集合が考えづらく、また扱いにくいものになってしまうので、どこかで適当な上位集合を考えます。
上位集合ってなに?って人は
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例えば、偶数の集合の補集合を考えるとき、「整数の中だけで考えてよ〜」とか、「実数の中だけで補集合をとってきてね。」みたいな、
適当な範囲を考えることです。
もし整数の中だけで考えると、偶数の補集合は奇数の集合になりますし、
実数の中だけで考えると、偶数の補集合は偶数以外の実数を全て含んだ集合になります。
このように、適当な上位集合を考えなければ、補集合はめちゃくちゃになってしまいます。
この適当な上位集合のことを
普遍集合といいます。
このとき、普遍集合を
$\displaystyle{\mathbb{U}}$として補集合を定義し直すとすれば、
$\displaystyle{\overline{\mathbb{A}}=\mathbb{U}/\mathbb{A}}$
となります。