内部・外部・境界
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境界の例

$\displaystyle{d(x,y)}$$\displaystyle{\mathbb{R}^2}$のユークリッド距離として、
$\displaystyle{S=\{a|d(a,O)\geq\delta\}}$という領域を考えます。
ただし、$\displaystyle{O}$を原点とします。つまり$\displaystyle{O=(0,0)}$です。

$\displaystyle{S}$とは、上の図で桃色と赤色を合わせた部分ですね。
つまり$\displaystyle{S}$は半径$\displaystyle{\delta}$の境界を含んだ円の領域のことです。




さてさて、領域$\displaystyle{S}$境界は、赤色の線ですよね。
また、$\displaystyle{S}$内部は桃色の部分であり、
$\displaystyle{S}$外部は黄色の領域です。



いま「境界」「内部」「外部」という用語を何気なく使いましたが、
それらの言葉の定義は?


これが、このページのメインテーマになります(^^)


以下では「境界」「内部」「外部」という用語を、直感的なものに頼らずに、数学的に、きちんと厳密に定義したいと思います。

内部とは

前回“内点”というのをやりましたね?


$\displaystyle{X}$を位相空間として、
$\displaystyle{A{\subset}X}$とします。

さて、$\displaystyle{A}$の内点を全て集めた集合を $\displaystyle{A}$内部あるいは開核と言い、
$\displaystyle{A^{\circ}}$とか$\displaystyle{A^{i}}$とか$\displaystyle{\mathrm{Int}(A)}$と表します。

内部の例

例えば、
$\displaystyle{[0,1)}$の内部は、
$\displaystyle{[0,1)^{i}=(0,1)}$
となります。



$\displaystyle{0}$という元は$\displaystyle{[0,1)}$の内点ではありません。
“内点”に関することは、前回やりました。



よって$\displaystyle{[0,1)}$の内部というのは、0だけが除外されて
$\displaystyle{(0,1)}$となるのですよ。

外部・境界

$\displaystyle{A}$の補集合の内点を$\displaystyle{A}$外点といいます。
$\displaystyle{A}$の外点をすべて集めた集合を$\displaystyle{A}$外部といいます。
$\displaystyle{A}$の内部でも外部でもない元を全て集めた集合を$\displaystyle{A}$境界といいます。



ところで・・・「補集合って何だったっけ・・・(-.-)」っていう方はいらっしゃいませんか???
補集合に関することはココのページを見てください。


$\displaystyle{A}$の補集合は$\displaystyle{\overline{A}}$と書くのでしたね。
そして、$\displaystyle{A}$の補集合は$\displaystyle{\overline{A}=X-A}$となります。



(↑注:ところで、<$\displaystyle{A}$の補集合として$\displaystyle{A^{C}}$と書き表すこともありますが、
この「位相」のページでは、補集合として$\displaystyle{A^{C}}$という記法は、採用しないものとします。)

外部・境界の例

$\displaystyle{[0,1)}$の外部を考えたいと思います。
外部を求めるには、まず補集合から考えなければなりませんねっ☆


$\displaystyle{[0,1)}$の補集合は、
$\displaystyle{\overline{[0,1)}=\mathbb{R}-[0,1)=(-\infty,0)\cup[1,\infty)}$です。


次に、$\displaystyle{(-\infty,0)\cup[1,\infty)}$の内部を求めましょう。
$\displaystyle{(-\infty,0)\cup[1,\infty)}$の内部は$\displaystyle{(-\infty,0)\cup(1,\infty)}$です。
つまり$\displaystyle{(-\infty,0)\cup[1,\infty)}$から$\displaystyle{1}$が除外されています。
よって$\displaystyle{[0,1)}$の外部は$\displaystyle{(-\infty,0)\cup(1,\infty)}$となります。




また、$\displaystyle{A}$の境界とは、
$\displaystyle{A}$の内部でも外部でもない部分でしたから…
$\displaystyle{[0,1)}$の内部は$\displaystyle{(0,1)}$でした。
$\displaystyle{[0,1)}$の外部は$\displaystyle{(-\infty,0)\cup(1,\infty)}$でした。
残りの部分、つまり$\displaystyle{\{0,1\}}$$\displaystyle{[0,1)}$の境界となります。


まとめますと、
$\displaystyle{[0,1)}$の内部→$\displaystyle{(0,1)}$
$\displaystyle{[0,1)}$の外部→$\displaystyle{(-\infty,0)\cup(1,\infty)}$
$\displaystyle{[0,1)}$の境界→$\displaystyle{\{0,1\}}$



上の図の数直線で、
実線が$\displaystyle{[0,1)}$の内部
点線が$\displaystyle{[0,1)}$の外部
緑色の点が$\displaystyle{[0,1)}$の境界となります。


このように、位相空間の任意の元は“内部”“外部”“境界”と、3つの部分に、すっぱりと分かれるわけです。

二次元平面の円の例


さて、このページの冒頭で紹介した、
$\displaystyle{S=\{a|d(a,O)\geq\delta\}}$
↑の内部・外部・境界はどうなるでしょうか?


とりあえず、円周上の点(赤色の線)は$\displaystyle{S}$の内点ではありません。
円周上の点を含む開集合は、どうしても$\displaystyle{S}$をはみでてしまいます。


また、また赤色の線は外部でもないことも、明らかではないでしょうか?
よって、内部でもなく、外部でもない・・・つまり“境界”であることが分かりました。



このように、“境界”というのを、数学的な言葉を用いて表しているのです。

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