例えば、
$\displaystyle{|\vec{a}|=3}$
$\displaystyle{|\vec{b}|=4}$
として、2つのベクトルのなす角を、60°とします。
さて、この灰色の線である、対角線の長さを求めたいとき、どうすればいいでしょうか?
この灰色の長さを求めるには
$\displaystyle{|\vec{a}+\vec{b}|}$
を求めればいいのですが・・・
上の内積の公式を使いますと、
$\displaystyle{|\vec{a}+\vec{b}|^2}$
$\displaystyle{=(\vec{a}+\vec{b})\cdot(\vec{a}+\vec{b})}$
$\displaystyle{=|\vec{a}|^2+2\vec{a}\cdot\vec{b}+|\vec{b}|^2}$
となりました。
ところで、上の式の2行目から3行目の式は内積の性質を使いました。詳しくは
ココをご参照ください。
ここで、
$\displaystyle{\vec{a}\cdot\vec{b}=|\vec{a}||\vec{b}|\cos\theta}$なので、
$\displaystyle{|\vec{a}+\vec{b}|^2}$
$\displaystyle{=3^2+2\times6+4^2}$
$\displaystyle{=37}$
です。
つまり
$\displaystyle{|\vec{a}+\vec{b}|^2=37}$
となります。
しかし、37という数は、対角線の長さの2乗です。
だから平方根をとらなければなりませんね?
37の平方根は
$\displaystyle{\pm\sqrt{37}}$
ですが、「長さ」はマイナスにはならないので、
$\displaystyle{|\vec{a}+\vec{b}|=\sqrt{37}}$
です。
こうして、一見求まりにくそうな対角線の長さが分かりましたね。