単位元は分かりましたか???
二項演算子に入れてみても値が変わらない・・・というものが単位元です。
それでは、ここでは「逆元」について解説していきましょ。
半群があるとします。んでもって、
「
$\displaystyle{b}$が
$\displaystyle{a}$の逆元である」とは、
$\displaystyle{ab=ba=e}$
となることをいいます。
つまり逆元とは、その元で演算したら単位元になる元のことを言います。
例を出していきましょう。
普通の「+」という演算子に関する単位元は0です。
だから「3」の逆元は「−3」になります。
なぜなら、
$\displaystyle{3+(-3)=0}$だからです。
また、普通の「×」という演算子に関する単位元は1です。
なぜなら、
$\displaystyle{3\times\frac13=1}$
だからです。
また、行列の時は、逆元は、行列の逆行列に相当するのではないでしょうか?
(↑もちろん二項演算子を行列の積として考えた時)
こう考えると、
「−」は、「+」に関する逆元を演算するものだ、と考えられ、また
「×」は、「÷」に関する逆元を演算するものだ、と考えられませんか?
このように、逆元を持つ元のことを
可逆元、又は
正則元、
単元とも呼んだりします。
「単元」とは、「単位元」と言葉が似ていて間違えやすいので、本当に気をつけましょう!!!
当然ですが、もし単位元がなければ逆元も存在しません。
だって単位元がなければ逆元の定義のしようがないですから。
もし、逆元が存在するとしたら、それは各元につき、多くても一つしかないです。
一つの元に対し、逆元が複数存在する、というのはまずありえません(→
証明)。
逆元の表記の仕方はいろいろありますが、
$\displaystyle{a}$の逆元のことを
$\displaystyle{a^{-1}}$
または、
$\displaystyle{-a}$
と表したりします。
ところで、当然ですが
単位元
$\displaystyle{e}$の逆元は
$\displaystyle{e}$
つまり自分自身です。
また、
$\displaystyle{ab}$を演算子で演算した後の逆元、つまり
$\displaystyle{(ab)^{-1}}$は、
$\displaystyle{b^{-1}a^{-1}}$
となります。
なぜなら、
$\displaystyle{(ab)(b^{-1}a^{-1})}$
$\displaystyle{=a(b(b^{-1}a^{-1}))}$
$\displaystyle{=a((bb^{-1})a^{-1})}$
$\displaystyle{=a(ea^{-1})}$
$\displaystyle{=aa^{-1}}$
$\displaystyle{=e}$
となるからです。
これは、結合法則、つまり「どこから演算してもいいよ」という規則に従いました。