基底のとりかえ
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基底のとりかえ

前回次元というものをやりました。
次元はお分かり頂けたでしょうか?

$\displaystyle{v_1,v_2,\cdots,v_n}$を基底とする線形空間の次元は$\displaystyle{n}$です。
このことはもう大丈夫ですね!!



さてさてのページでは、
一つの線形空間に対して、基底の取り方はいくつかある・・・と述べました。


例えば、
$\displaystyle{u_1=\begin{pmatrix}1\\0\end{pmatrix} \quad u_2=\begin{pmatrix}0\\1\end{pmatrix}}$
$\displaystyle{v_1=\begin{pmatrix}1\\1\end{pmatrix} \quad v_2=\begin{pmatrix}0\\1\end{pmatrix}}$
$\displaystyle{w_1=\begin{pmatrix}1\\1\end{pmatrix} \quad w_2=\begin{pmatrix}{-1}\\1\end{pmatrix}}$
としたとき、
これらは皆、二次元平面からなるベクトル空間の基底となります。

二次元平面というのは、以下の青色で描かれた(っていうか、平面全体じゃん?)領域ですけどね。

さて、このベクトル空間を$\displaystyle{R^2}$とします。



$\displaystyle{u_1,u_2}$$\displaystyle{\mathbb{R}^2}$の基底になりますし、
$\displaystyle{v_1,v_2}$$\displaystyle{\mathbb{R}^2}$の基底です。
$\displaystyle{w_1,w_2}$も同様に、$\displaystyle{\mathbb{R}^2}$の基底なのです。
これより、本当に基底のとりかたは一意的でない、ということが分かりますよね?
さて、そんな基底をとりかえたら、一体どうなるだろう、というのが今回のテーマです(^.^

例えばベクトル$\displaystyle{a}$
$\displaystyle{a=\begin{pmatrix}3\\4\end{pmatrix}}$
としましょう。

当然ですが$\displaystyle{a{\in}\mathbb{R}^2}$ですね。


$\displaystyle{a}$は線形空間$\displaystyle{\mathbb{R}^2}$に属するベクトルなので、
基底の一次結合で表すことができます。



例えば、さっき述べた$\displaystyle{u_1,u_2}$は線形空間$\displaystyle{\mathbb{R}^2}$の基底なので、
ベクトル$\displaystyle{a}$$\displaystyle{u_1,u_2}$の一次結合の形で表現できます。
実際
$\displaystyle{a=3u_1+4u_2}$
と、確かに$\displaystyle{u_1,u_2}$の一次結合でベクトル$\displaystyle{a}$を表現しています。
もう少し詳しくみますと
$\displaystyle{a=3u_1+4u_2=\begin{pmatrix}1\\0\end{pmatrix}+4\begin{pmatrix}0\\1\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}3\\4\end{pmatrix}}$
ですね。



また先ほどの$\displaystyle{v_1,v_2}$も線形空間$\displaystyle{\mathbb{R}^2}$の基底なので、
ベクトル$\displaystyle{a}$も、その一次結合で表現できます。
$\displaystyle{a=-v_1+4v_2=-1\begin{pmatrix}1\\0\end{pmatrix}+4\begin{pmatrix}1\\1\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}3\\4\end{pmatrix}}$ ですね。


$\displaystyle{w_1,w_2}$も同様、線形空間$\displaystyle{\mathbb{R}^2}$の基底なので、
$\displaystyle{a=\frac72w_1-\frac12w_2=\frac72\begin{pmatrix}1\\1\end{pmatrix}-\frac1begin{pmatrix}1\\{-1}\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}3\\4\end{pmatrix}}$



このように、一つのベクトル$\displaystyle{a}$に対し、
基底を変えることにより、ベクトルの表現は変わります。
まぁ、当たり前なのですがね…



普通でしたら、基底として$\displaystyle{u_1,u_2}$を考えるのが一番自然だと思います。
しかし、時と場合により、そうではなく$\displaystyle{v_1,v_2}$$\displaystyle{w_1,w_2}$を基底とした方が分かりやすくなることもあります。



まぁ、基底の変換というのはひとつのベクトルを、視点を変えて見てみるということになるのでしょうか?

線形空間の元

さて基底の定義はここのページで解説しました。

くどいようですが、もう一度定義を繰り返しますと、
$\displaystyle{v_1,v_2,\cdots,v_n}$の一次結合で生成されるベクトルを全て集めた集合を$\displaystyle{V}$としたとき、
$\displaystyle{V}$は線形空間となり、$\displaystyle{v_1,v_2,\cdots,v_n}$$\displaystyle{V}$の基底というのでした。





さて、ここで重要なことをお話します。


任意のベクトル空間の元は、その基底の一次結合で表すことができます。
例えば$\displaystyle{v_1,v_2,\cdots,v_n}$を線形空間$\displaystyle{V}$の基底の一つとしたとき、
$\displaystyle{V}$に含まれている任意のベクトル$\displaystyle{a}$
n個の実数$\displaystyle{k_1,k_2,\cdots,k_n}$を適当に選ぶことにより、
$\displaystyle{a=k_1v_1+k_2v_2+\cdots+k_nv_n}$
の形に表すことができます。



このことは当然なことですが、是非覚えておいてください。

基底の変換

$\displaystyle{v_1,v_2,\cdots,v_n}$をベクトル空間$\displaystyle{V}$の基底とします。
それと同時に$\displaystyle{u_1,u_2,\cdots,u_n}$もベクトル空間$\displaystyle{V}$の基底とします。


さて、$\displaystyle{V}$のベクトル$\displaystyle{a}$
$\displaystyle{a=k_1v_1+k_2v_2+\cdots+k_nv_n}$
と表されているとしましょう。




さて、ここで基底の変換をしたい・・・とします。

例えばベクトル$\displaystyle{a}$を基底$\displaystyle{u_1,u_2,\cdots,u_n}$で表したいとしましょう。

このとき、どうすればよいのでしょうか・・・?


ここで$\displaystyle{u_1,u_2,\cdots,u_n}$のn個のベクトル自身も$\displaystyle{V}$の元だ、ということを考えれば
$\displaystyle{u_1=m_{11}v_1+m_{12}v_2+\cdots+m_{1n}v_n}$
$\displaystyle{u_2=m_{21}v_1+m_{22}v_2+\cdots+m_{2n}v_n}$
 ・
 ・
 ・
$\displaystyle{u_n=m_{21}v_1+m_{22}v_2+\cdots+m_{2n}v_n}$
と表すことができます。
それらを元の式に代入すれば、
$\displaystyle{a=k_1u_1+k_2u_2+\cdots+k_nu_n}$
$\displaystyle{=k_1(m_{11}v_1+m_{12}v_2+\cdots+m_{1n}v_n)}$
$\displaystyle{+k_2(m_{21}v_1+m_{22}v_2+\cdots+m_{2n}v_n)}$
$\displaystyle{+\cdots+ k_n(m_{n1}v_1+m_{n2}v_2+\cdots+m_{nn}v_n)}$
と表すことができ、後は計算するだけです。

基底の変換の例

さて、例を挙げましょう。
例えば
$\displaystyle{u_1=\begin{pmatrix}1\\0\end{pmatrix} \quad u_2=\begin{pmatrix}0\\1\end{pmatrix}}$
$\displaystyle{w_1=\begin{pmatrix}1\\1\end{pmatrix} \quad w_2=\begin{pmatrix}1\\{-1}\end{pmatrix}}$
とします。

$\displaystyle{u_1,u_2}$$\displaystyle{\mathbb{R}^2}$の基底です。
同様に$\displaystyle{w_1,w_2}$$\displaystyle{\mathbb{R}^2}$の基底です。




例えば
$\displaystyle{a=u_1+2u_2=\begin{pmatrix}1\\2\end{pmatrix}}$
$\displaystyle{w_1,w_2}$を使って表したいと思います。

実際$\displaystyle{w_1,w_2}$自身も$\displaystyle{\mathbb{R}^2}$のベクトルなので、
$\displaystyle{w_1=u_1+u_2}$
$\displaystyle{w_2=u_1-u_2}$
と、一次結合の形で表すことができます。


次に、この2つの式を(連立方程式を使って)整理しますと
$\displaystyle{u_1=\frac12w_1+\frac12w_2}$
$\displaystyle{u_2=\frac12w_1-\frac12w_2}$
となるので、あとは代入するだけです。

$\displaystyle{a=u_1+2u_2}$
$\displaystyle{=(\frac12w_1+\frac12w_2)+2(\frac12w_1-\frac12w_2)}$
$\displaystyle{\frac32w_1-\frac12w_2}$
となります。




以上、まとめますと、
$\displaystyle{a=u_1+2u_2}$
$\displaystyle{a=\frac32w_1-\frac12w_2}$
と、1つのベクトル$\displaystyle{a}$が2通りの基底を用いて表すことができましたね。


以上、基底のとりかえの方法でしたm(_ _)m

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