距離誘導位相
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距離→位相

そういえば、ここは位相のページでしたf(^^;

今までは距離のことをやってきましたね?

しかし、距離空間は自然と位相空間になります。
言い換えると距離空間は自然に位相空間となるのです!!!
・・・どぉいうことかというと…

そもそも位相には開集合とか、必要でしたよね?
開集合が存在して、初めて位相といえるのですから・・・



・・・ということで、
距離空間からどのようにしてその“開集合”作るかというと、
開球を開基とするような位相空間を作るのです。
(開球の解説はコチラへ、開基の解説はコチラへ)




つまり、こういうことです↓↓
$\displaystyle{\mathbb{X}}$を距離空間として、 その距離を$\displaystyle{d}$とします。

そして、開基$\displaystyle{\mathscr{B}}$
$\displaystyle{\mathscr{B}=\{U_{\varepsilon}(a)|\varepsilon\gt0,a\in\mathbb{X}\}}$
のように定義します。
つまり$\displaystyle{\mathscr{B}}$は 距離空間$\displaystyle{\mathbb{X}}$の開球全てからなる集合となります。

ちなみに$\displaystyle{U_\varepsilon(a)}$は、
$\displaystyle{a}$から距離が$\displaystyle{\varepsilon}$ 内にある点すべてを含めた集合です。
これを“開球”と呼んだのですね?

さて、この$\displaystyle{\mathscr{B}}$を開基として、位相空間を作るのです!!!

実際に作ってみましょう1

まず実数$\displaystyle{\mathbb{R}}$の通常の位相からやっていきます。

$\displaystyle{\mathbb{R}}$上の距離を
$\displaystyle{d(x,y)=|x-y|}$
と定義します。

そして
$\displaystyle{\mathscr{B}=\{U_{\varepsilon}(a)|\varepsilon \gt 0 , a \in \mathbb{X}\}}$
を求めます。


さてさて、このときは開球$\displaystyle{U_\varepsilon(a)}$はどうなるかというと・・・
$\displaystyle{U_\varepsilon=(a-\varepsilon,a+\varepsilon)}$
と、これは、位相のページの最初にでてきた“開区間”になることは分かりますか!?


よって$\displaystyle{\mathscr{B}}$は、有界な開区間全体からなる集合だということが分かります。
はい!!通常の位相というものは、よく考えてみれば開区間を開基としたものです。

よって上で定義した距離$\displaystyle{d}$からは $\displaystyle{\mathbb{R}}$上の 通常の位相が誘導されることが分かります。


当然、開球を開基として位相空間を作るわけですから、
開球自身も開集合です。
当然、開区間は開集合ですよね?



さて、ここで重大な事実が分かりました。
まとめます:
$\displaystyle{\mathbb{R}}$上の通常の位相は、 $\displaystyle{\mathbb{R}}$の開球を基底とした位相空間である!!
また$\displaystyle{\mathbb{R}}$の開球とは、有界な開区間$\displaystyle{(a,b)}$のことである!!!

実際に作ってみましょう2

二次元の時、つまり$\displaystyle{\mathbb{R}^2}$のときを考えてみましょう。

$\displaystyle{d(x,y)=\sqrt{(x_1-y_1)^2+(x_2-y_2)^2}}$
と距離を定義した場合、
$\displaystyle{\mathbb{R}^2}$上の境界のない円が開球となるのでした。

これから誘導された位相も、$\displaystyle{\mathbb{R}^2}$上の 通常の位相が誘導されます。

実際に作ってみましょう3

他にも、ここで定義した、自明な距離を使ってみましょう。

たしか、この距離で開球を作ったときは、
開球$\displaystyle{U_\varepsilon(a)}$はどうなるかというと、
$\displaystyle{\varepsilon \lt 1}$のとき $\displaystyle{U_\varepsilon(a) = \{a\}}$
つまり、一つの元だけからなる集合、

$\displaystyle{\varepsilon \geqq 1}$のとき $\displaystyle{U_\varepsilon(a) = X}$
つまり全体となるのでした。



それを開基として位相を作ります。
一つの元からなる集合を含んでいることを考えると、
これは離散位相になることは分かるでしょうか?

細かいことを気にする人へ

ところで、
上で定義した$\displaystyle{\mathscr{B}}$が絶対に基底になるのか?
という疑問が出てきます。

数学では、こんな細かいこともちゃんと確かめるのも大切ですよ〜。


ちゃんと$\displaystyle{\mathscr{B}}$は基底となっています。
ココを見て下さい。

位相→距離?

さてさて、今回やったことは
『距離空間は位相空間になる』ということでした!!!


それじゃ、逆は?
『位相空間は距離空間になる』???

位相空間が任意に与えられたとしたら、
これは何らかの距離から誘導されたものだと果たして言えるのでしょうか?


これは、はっきり「Yes!!!」とは言えません。
例えば密着位相は何らかの距離から誘導された位相だと考えると、 矛盾が生じます(証明は省略)。


この話はまた後日しますのでm(_ _)m

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