まず、群
$\displaystyle{\mathbb{G}}$が可換群であるとき、
その部分群は必ず正規部分群になります!
これは考えてみれば、あたりまえです。
「可換群」とは、演算子で左右交換しても値が同じになるので、
$\displaystyle{g\mathbb{H}=\mathbb{H}g}$
が成り立つのは、明らかですね。
じゃあ、可換群じゃなかったら正規部分群となる部分群はないの???と思うかもしれませんが、
以上の三角形の回転の群の例では、
これは可換群ではないですが、ちゃんと正規部分群は持っていました。
また、群は必ず単位元を持ちます(
群の公理を参照して下さい)ので、
どんな群も絶対に単位元しかもたない群
$\displaystyle{\{e\}}$
を部分群として持ちます。
この、部分群
$\displaystyle{\{e\}}$は正規部分群です。
なぜなら、単位元は
$\displaystyle{ea=ae=a}$
のように、可換な性質が成り立つように、定義してあるのでした。
次の例です。
群
$\displaystyle{\mathbb{G}}$自身も群
$\displaystyle{\mathbb{G}}$の部分集合です。
この部分群
$\displaystyle{\mathbb{G}}$も正規部分群です(自分で確かめてください)。
つまり、自明な群は必ず正規部分群となります。
自明な群とは、真部分群ではない部分群のことです。
(真部分群って、覚えていますか・・・?自分自身と単位群ではない部分群のことです。
部分群のページで解説しました)